世の中のありとあらゆる商行為において、契約期間中にその約束を反故にすることは様々な障害が発生しますが、自動車保険契約についてもそれは例外ではありません。
そこで今回は、そんな中途解約のデメリットを紹介するのとともに、どういったケースならメリットが得られるのか詳しく説明していきたいと思います。

中途解約して乗り換えると損をする事が多いのが自動車保険です

基本的に自動車保険は1年契約、その途中で何か事情があり解約することを中途解約とい
いますが、多くのデメリットが付いて回るので注意しなければなりません。
しかし中途解約をするにはそれぞれの思惑が絡み、やむを得ないケースもあるのですが、主だったものにはどんなことがあるのでしょうか。

ケース1 他社が安いから入りなおしたい!

車を購入した先でいわれるがままに自動車保険に加入、でもCMを見ていたり知人の話を聞くと、自分の自動車保険料は高いと思ってしまう方も大勢います。
そんな時自動車保険を中途解約、新しいものに入りなおしたいと考える方もいるはずで、この自動車保険の保険料が各保険会社で大きく違うことが、乗り換えに伴う中途解約を考える最も多いケースです。
ただ、理由は後程触れますがこの場合もし今加入している保険の満期が近いのであれば、安い保険料の自動車保険を見つけても、いったんグッと我慢すべきです。

ケース2 車両保険を追加したい!

続いては今まで乗っていた車はリーズナブルだったので気にしなかったものの、少し奮発して高い車に乗り始めたりすると、どうしても車両保険を追加したくなります。
その場合、今加入している自動車保険の内容を変更することで車両保険を追加することも可能ですが、自動車保険において車両保険代はかなり大きなウェイトを締めます。
1円でも安く、車両保険を付けられる自動車保険を探すケースが増えるため、これも中途解約をしたいと考える理由の1つに挙げられます。

車に乗らなくなるから

これは乗り換えを伴う中途解約ではありませんが、

転勤によって電車通勤になったから車は使わない
海外赴任が決まった
定年で車を使用する機会が無くなった
事故や盗難で車が無くなった

などといったケースで、車を売却・廃車・消失した時も、自動車保険を中途解約するケースと言え、この場合は多少デメリットあろうと、中途解約もやむなしです。
ただしどのケースでも、再度運転の機会がやってくることも考えられるので、各保険会社が発行してくれる「中断証明書」を入手しておきましょう。
この中断証明書があれば、以後10年間にわたり解約前のノンフリート等級を引き継いだ状態で新保険に加入が可能なので、忘れずに手続きをしてください。

自動車保険を中途解約するとどんなデメリットがある?

さて、主な中途解約理由に触れた後は、具体的のどんなデメリットが発生するのか整理していきましょう。

等級によって乗り換えると損をする自動車保険

自動車保険を中途解約をすると、それがどの時点であってもノンフリート等級が上がっていく1年間のカウントが、いったんリセットされてしまうので注意が必要です。
どういうことかというと、例えば現在10等級で、4月1日の加入スタートだったとします。
この契約を事故などなく、保険を適用しないまま満期まで加入していると、ご存知の通り、次回の契約から自動車保険料を大きく左右する等級が1段階アップします。
しかし、仮に3月末あと少しで満期だというタイミングで乗り換えをした場合、新保険に引き継がれるのは10等級のまま。
加入日から再度等級アップのための1年間がスタートするため、ほぼ丸1年間損してしまいます。
極端な例を挙げると、事故を繰り返してなければなかなかあり得ませんが、仮に最低の1等級になっている場合では割引ではなく、64%の割り増し設定がされます。
ですが、1年経過して無事2等級になった時点で、それが36%ダウンの28%割り増しにまでなるのです。
これが、満期が近い場合では価格の安さでの自動車保険乗り換えを、いったん思いとどまったほうがいいと上記で触れた理由です。
なお、前述の1等級である加入者の場合、継続も含めすべての自動車保険への加入を断られる可能性が出てくるので、中途解約とか何とかそれどころではないかもしれません。

年齢によっても解約すると損をする事がある?

前述したとおり、等級での割引率は1等級アップすれば、すべての等級で同じ割引率のアップ幅という訳ではありません。
例に出した10等級から11等級への上昇では、割引率45%から47%への2%の差にすぎませんので、そこまで満期にこだわる必要もないかもしれません。
しかし、保険料の高いのが特徴の18~20歳の方の場合、6等級や7等級の方がほとんどのはず。
この場合等級1つの割引率が、6から7等級へのアップでは11%、7から8等級への上昇では10%と割引率の差が非常に大きい。
年間15万円を超える事も多い、この世代の年間保険料相場から考えると、乗り換えようとする新保険との差額が15,000円以上あるようなケースでもない限り、おとなしく満期まで待って等級を1つ上げてから、新しい自動車保険に加入しなおしたほうが無難です。

違約金ってあるの?逆に返金される事は?

最近、不祥事を起こした芸能人がそのCM契約などを途中で打ち切らねばならず、広告主などに多額の賠償責任を負ったとかいうニュースも耳にします。
確かに、多くの商取引においてはその契約期間の中途解約では、「違約金」が発生することもあります。
しかし、自動車保険の場合では違約金が発生することはなく、むしろ年払い・月払いともに、すでに支払っている保険料の返還、並びに翌月からの支払い停止をしっかりすることができます。
ただし月払いはともかく、年払いの場合は日割り計算よりかなり少ない金額しか返還されないため、これもデメリットということができます。
まずは下表をご覧ください。

期間 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月
料率 25% 35% 45% 55% 65% 70%

 

7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月 11ヶ月 12ヶ月
75% 80% 85% 90% 95% 100%

 

こちらは、通販型大手のソニー損保が定めている「短期料率」を表にしたもの。
この表にのっとって、一括払いされた保険料はその経過期間に相当する短期料率分を引いたものが、返還される決まりになっています。
つまり、年間保険料が50,000円の保険を2ヶ月目に解約をした場合、

「50,000×(1-0,35)=32,500」円

が返還される計算になります。
表を見て気づいた方もいるでしょうが、こちらによると半年、つまり6か月目に解約しても半分が返還されず、3割しか戻ってこないことになっています。
「そんな理不尽な!」と思われるかもしれませんが、自動車保険も銀行預金などと同じ金融商品。
保険会社は受け取った保険金を運用して、利益や支払う保険金を確保しているので、途中解約ではこういった減額措置を取らざるを得ないのです。
また、基本的に一括払いでは事前に保険料を納めることによって分割である月払いより割引をされているため、ある程度はあきらめねばいけません。

メリットはないの?

多くのデメリットが発生するものの、それでも中途解約して自動車保険を乗り換えるメリットが存在しますので、最後に紹介していきます。

適切な自動車保険に入りなおせる

自動車保険を中途解約し、他社の保険に乗り換えるまず1つ目のメリットが、お金には代えられない自動車保険の補償内容の適正化です。
自動車保険は、その提供する会社が変われば、

特約の充実度
ロードサービスなど付帯サービスの質
事故対応能力

などに違いがあり、何かしらの不満を抱えたまま、デメリットがあるからと自分のカーライフに合っていない自動車保険に入り続けているのは、長い目で見れば好ましくありません。
車屋さんなどの言うがまま、しっかりと内容を確認せず自動車保険に加入をしていると、もしかしたら自分の求める補償内容などと、食い違いが出ていることもあります。
そしてその場合、万が一の補償やサービス体制が、満足のいくものではなくなってしまう可能性も否定できない。
ですのでこの記事を見ていただいたことを機会に、加入している自動車保険の内容をよく検討し、場合によっては多少のデメリットが発生しても保険の中途解約、乗り換えをしたほうがメリットが大きい場合もあります。

なんといっても保険料の節約

さんざん損をすると脅しては来ましたが、違約金が発生するわけでも、等級が引き継げないわけでもないので、

新車に乗り換えた・・・安全装備の充実で、型式ごとに定められている保険料率が下がったり、保険会社によっては新車割引が受けられるケースもある。
大きな補償や車両保険を付けたい・・・保険料のトータルが増え、各保険会社ごとの保険料差が広がる可能性大。
今の保険に入って間もない・・・等級のカウントや、年払いの返還率をあまり気にしなくていい。

などといった時には、紹介してきた多くの金銭的デメリットを軽く吹き飛ばし、保険料節約のメリットの方が強まる可能性が出てきます。

中途解約はよく考えてすべき

いくつかのメリットがあるとはいえ、やはり自動車保険の中途解約には手間もかかるため、デメリットをよく確認しながら慎重に進める必要があります。
基本的なことを言えば、盗難や事故、災害などで不意に車を失ってしまう以外では、自動車を買い替えるタイミングと自動車保険加入のタイミングが、揃っていることが多いはずです。
そもそも満期での解約をするようにすれば、今回触れてきた中途解約のデメリットが発生することはないので、現在加入中のものがそうであるならば、乗り換えのタイミングは満期にしておいた方がいいでしょう。
また、かなりの保険料差が出ないと肝心の保険料節約というメリットも目立ってこないので、多くの保険会社から見積もりを取る必要が出てきます。
そんな時使える、優秀なツールとして人気なのが、「保険の窓口インズウェブ」などといった一括見積サイトです。
一挙に、最大20社もの自動車保険見積もりを、簡単入力で自宅に居ながらゲットできるので、手間も解消。
上記で触れたデメリットを加味しながら、ちゃんとメリットの出る自動車保険選びを慎重にするよう心がけましょう。