自動車保険の見積もり依頼などをネットでした経験があれば、年間の走行距離を入力する項目にチェックを入れたことのある方も多いでしょうが、よく考えずにチェックを入れていることはないでしょうか。

実は、この走行距離の申告は掛け金や保険金の支払いなどを決定する重要な項目、知らないと後悔することになりかねないので、今回はその点について詳しく触れていきたいと思います。

自動車保険は走行距離で値段が変わってくる?

走行距離によって割引があるの?

これについてはご存知の方も多く、その仕組みについても理解しやすい点ではありますが、一般的に保険・損保会社はそれぞれ年間で、などといった3~7つ程度の走行距離区分を用意していて、それぞれに対して違う割引率を設定しています。

年間総走行距離5,000km以下
年間総走行距離10,000km以下
年間総走行距離15,000km以下
年間総走行距離15,000km以上

最近ではこの走行距離区分をもっと細かくしたり、反対に少なくしている保険会社も存在するので、実際のところは自分が入っている保険、もしくはこれから入ろうとしている自動車保険会社HPなどで確認してください。

走行距離が少なければ安くなる?

申込時に申告する走行距離は、それが短ければ短いほど掛け金に対して割引率が大きくなります。

単純に走行距離が少ない場合は、事故に遭遇する可能性が減るのがその理由ですが、実際にはどの程度掛け金が変化するのでしょうか。

トヨタウィッシュの2013年式でゴールド免許、等級が10等級の30歳の男性が自分一人で乗る車のケース。

最もメジャーである「4区分」を採用している、三井ダイレクト損保を車両保険無しで利用したとして算出すると、となっていて、一見それほど差が無いように見えますが等級が低かったり年齢が若くなると、原資である掛け金がより大きくなってくるので、なかなか馬鹿にできない割引率の違いが出てきます。

5000km以下・・・28,910円
10,000km以下・・・30,850円
15,000km以下・・・32,880円
15,000km超・・・35,440円

走行距離の計算方法。走行距離の目安はどうやって決める?

基本的にこの年間走行距離は、2つの方法でその目安を決めますがその一方が」年間予測走行距離」の算出で、もう一方が「1昨年の実走行距離」を申告する方法の2パターンがありそれぞれの保険会社によって変わります。

年間予想走行距離の算出方法

まずは、契約時にははっきりとしていないこれから先1年間の走行距離を予想して申込時に申告するパターンですが、この時年間の走行距離を確実に算出するのはそんなに簡単ではありません。

あくまで予想であり目安になりますが、

レジャーなどの休日のみ近場での利用、もしくは通勤の場合10km程度の場合・・・3,000km以下

近場での買い物、通勤では片道30分以内で往復が20km程度の場合・・・5,000km以下

かなり毎日足として買い物に利用しているか、通勤では片道1時間ほど要する往復30km程度の場合・・・10,000km以下

日常利用に加えロングドライブや帰省などにも利用、通勤距離も往復40km程度の場合・・・15,000km以下

トータルでで1日の使用距離が50km以上の場合・・・15,000km以上というのが、計算の上ではその目安となります。

実際のところは、いつもの通勤の往復距離をメモするなどして、計算をしておいた方が確実で、後ほど説明しますが不確実な申告では大きなデメリットが発生するため、計算より少し多めに見積もって申告したほうが無難です。

この予想走行距離による申告制度をしている主な保険・損保会社は、

 

アクサダイレクト

ソニー損保

チューリッヒ保険

 

などが挙げられ、理由は後に触れますが現在では少し少数派になってきています。

一昨年の実走行を申告するケース

 

一方現在に主流となりつつある、

 

そんぽ24

イーデザイン損保

三井ダイレクト

セゾン自動車

 

などが採用している、去年実際に走った距離を申告する方法については、それほどその算出は難しくありません。

昨年と同じ保険会社で、継続して加入する場合は現在の走行距離メーターの数字をネット申し込み画面などで入力することで、自働的に走行距離の申告ができるようになっていますが、保険会社や損保を変えるときや新規加入の場合は、設定されている走行区分にそって申告することになります。

ですので、毎年掛け金などの安い保険を探して乗り換えを良くする方は、前回の保険加入時の走行距離メーターをどこかにメモなどをしておくと便利です。

ただ、メモなどを残していない場合もほとんどでしょうから、その時は車検証をチェックしてください。

一般的に自動車保険は車の購入と同時に行い、その時は車検も同時期に行っていることがほとんどです。

その場合、車検証に記載されている車検時走行距離を現在のメーター数値から引き、購入初年度はそのままの数字が確実な実走行であり、2年目は2で割れば大まかな年間走行距離を簡単に算出できるはずです。

ただし、車検の残っている車を乗り継いだ場合はその限りではなくそのようなケースでは年間走行距離を予想する時と同じ目安で、1年分の走行距離を予測して申告するしか手はありません。

新車の場合の走行距離

1昨年の走行した距離を申告するといっても、新車購入時では走っていないので申告のしようがないこともあります。

この場合、昨年の走行距離申告を基準としている場合でも、予想タイプと同じ手順で予想される走行距離区分を選択する必要があります。

走行距離がオーバーすると保険料が変わる?

・しっかりとした申告が重要?

自動車保険に、今回説明している走行距離による割引制度が導入された当初は、1年間の予想走行距離を概算で算出し申告するスタイルがほとんどで、それを越えると保険会社にしっかりと申告をしなければいけませんでした。

しかし現在では、主流となりつつある一昨年分の走行距離を申告する場合では当然ですが、いまだに予想走行距離の申告制を取っているソニー損保ですが、契約時の申告を越えた走行距離を実際に走ったとしても、その通知義務を廃止していて追徴掛け金も発生しません。

ただし、外資系ダイレクト自働車保険である「チューリッヒ保険」及び「アクサダイレクト」に関しては、それぞれの区分が変わるほどの予定走行距離の増加があった場合は速やかにそれを通知するよう義務付けしていて、走行距離の区分契約変更に伴い差額保険掛け金の納入が必要となります。

走行距離区分が下がったときは掛け金安くならないの?

走行距離は増えるばかりでなく職場環境が変わったり、乗る人間が変わると減るケースもありますが、この時申告した走行距離区分がより安い区分に適合する場合は、掛け金が安くなることはないのでしょうか。

これについては基本的には安くならないのが現実、過去の走行距離を元に掛け金が決定する場合は当然ですが、予想距離申告をする外資系2社は増えた分の通知義務は課しているものの、走行距離が減った時の保険掛け金優遇制度は引いていません。

ただ1つの保険会社だけが対応しているようで、それが「保険料は走った分だけ」のCMに偽りなしの「ソニー損保」。

ソニー損保には、契約開始時に申告した予想走行距離を1,000km以上下回りかつ、1段階掛け金の安い走行距離区分になった場合、翌年の掛け金からその差額分割り引いてくれる「繰り越し割引」の制度があります。

走行距離が違ったら虚偽の申告をしても大丈夫?

・過去のことに虚偽って…

走行距離がオーバーしてしまったとき最も加入者が心配するのは、通知をしなかったり虚偽の申告をしてしまった場合に、掛け金がどうこうなるとかいうことより、万が一の事故の時しっかりと保険金が支払われるかどうかという点だと思います。

これに関しても、過去の走行距離を基礎とする走行距離申告制をとる保険会社に加入している場合は、キチンと走行距離メーター通りもしくは上記で説明した手順通りの申告をしてさえいればそもそも虚偽申告である可能性がないので何も気にする必要はありません。

ただし、車検途中の車を購入した時や新規加入の時は予想走行距離の申告になるので注意、この申告制度を取っているイーデザイン損保はHP上でしっかりと「前年走行距離区分が実態と違うと保険金を支払いできない場合がある」旨を明記しています。

・あくまで予想でしかありませんから…

予想走行距離を申告する自動車保険であっても、よほどの「悪意」のある虚偽申告でない限りは基本的にはちゃんと保険金は支払われます。

それはそうです、契約時に申告した走行距離はあくまで「予想」であり自働車に乗る機会は今後どう変化するなんて神様でもない限り分かるわけがなく、それに対して保険金を支払わないなんて言語道断です。

保険金が支払われないケースもあるので注意!

しかし、明らかに何万kmも走ることがわかりきっているのに掛け金を安くしようと3,000km以下区分で申告していたりすると、「悪意」と取られ保険金の支払いにNGが出る可能性は出てきます。

とくに、その走行距離変化に対して通知義務を課している前述の外資系2社に関してはそれが極端に厳しい傾向にあるので、用心のために走行距離区分がアップする際はしっかりと通知しておいた方が無難です。

また、多少の誤差なら問題なく保険を支払うが、大きな変化になった場合は差額の保険掛け金を支払うことで補償ができることを定款で定めている保険会社もあるので、思い当たる節がある方は現在加入している保険会社はどうなっているか、一度問い合わせてみたほうがほうがいいでしょう。

走行距離を少なく虚偽申告すれば、確かにいくらかの掛け金節約にはあるでしょう。

しかし、その額は上記でも紹介した通り、最長走行距離区分と最短走行距離区分を比較しても2割引き程度が最大値。

これを節約するために虚偽申告をして、いざというときの場合によっては数千万円~数億円に達することもある保険金を棒に振ってしまうのは利口な選択とは言えないので、しっかりとした正しい申告をした方が安心感が高まるでしょう。

ケース別おすすめの自動車保険とは?

予想走行距離を申告する自動車保険の場合

予想走行距離の算出による申告で受けられるケースが、人事異動などで職場が近くなった場合。

このケースでは、昨年の走行距離よりこれからの走行距離の方が短くなることが予想されるため、もし過去の走行距離の申告タイプの自動車保険に入っているなら、昨年の掛け金より高い割引率を得られる可能性が出てきます。

実走行距離を申告する自動車保険の場合

人事異動が激しい仕事で、職場がコロコロ変わって走行距離の変化が考えられる場合や、その年の間に引っ越しを予定している場合や卒業して生活環境が変わる大学生などは、いちいち走行距離の変化を気にしなくていい、このタイプの自動車保険を選んだほうが無難かもしれません。

走行距離が無制限の自動車保険の場合

これまで触れていませんでしたが、自動車保険の中には走行距離区分の存在しない保険もあります。

SBI損保、三井ダイレクト、セコム損保の3社がそれで、毎日長距離の自動車通勤をしていたり、趣味がドライブで休日の度にロングドライブを楽しんでいる方などは年間15,000km以上を走行する事もあります。

このケースでは、どの保険会社でも最も高い保険掛け金でしか加入できないという事が考えられるため、ひょっとするとこの3社の方が安い掛け金で加入ができる可能性があります。

自動車保険の決定では「一括見積り」をぜひ活用しよう!

・細分化されているリスク要因の存在

前項では、考えうるケースごとのおすすめ自動車保険に触れましたが、実際のところ自動車保険の掛け金を決定しているのは、なにも走行区分だけではありません。

自動車保険に限らず、生命保険や火災保険などといった「保険」と呼ばれる商品はすべて「リスク要因」によってその保険掛け金が決められています。

わかりやすく言えば、一般的に生命保険であれば病気やけがの重症化の「リスク」が上がる年配の方になってくるにつれその保険掛け金が高くなり、火災保険であれば延焼の「リスク」が上がる木造家屋よりも鉄筋家屋の方がその掛け金が安くなってきます。

自動車保険の場合、乗る方の範囲や年齢と用途区分さらにエアバックやABSなど、車体安全装備の有無までその「リスク要因」が他の保険と比べても多岐にわたり、走行距離区分に加えてそれらが全く同じでも、保険会社が変われば大きくその掛け金が変化します。

ニーズはいろいろ、自分に合った自動車保険を探すには?

リスク要因への考え方は各保険会社で異なり、長距離を走る方は運転に慣れていて、短い距離しか走らない方は運転機会の少ない運転に不慣れな方と解釈をして、その割引率の幅をあまり高くしていない自動車保険も存在し、上記で紹介した走行距離区分を定めていない3社がその最たるものです。

さらに、掛け金の安さだけでなく事故対応の良さや特約の充実度合いなど、ユーザーが求める保険商品の品質も様々。

それに対応して、保険会社や損保会社も個性を打ち出した商品を年々改良を加えながら展開しています。

ですので、今回紹介してきた走行距離区分や申告方法の異なる、最大で自動車保険会社20社から一括で見積もりをゲットできる、「保険の窓口インズウェブ」などといった一括見積サイトをうまく利用し、自分のニーズのマッチした自動車保険を探すようにすると、豊かなカーライフの手助けになりおすすめです。